死と変身とそれをつらぬく時間
図書館に行ったが中井の「月蝕領崩壊」が無かった。
実家の方の図書館にはあるのですが。買うにしても荷物増やしたくないしなあ。
結局長野まゆみの「超少年」と岡嶋二人の「クラインの壺」と永井するみの「歪んだ匣」を借りてきた。
娘の誕生日と中井英夫の命日が一緒です。
「月蝕領崩壊」は月蝕領宣言にて月蝕領主となったAこと中井英夫の、
自分の分身とも言えるBこと田中貞夫が病に伏しその病状に一喜一憂する様を記録をした私小説。
二部構成で最後には一部に戻る。
AのBに対する強烈な依存、書けば書くほど不幸になる記録、自分がBを殺したという幻想の自責、世界の不条理。
メビウスの輪の様に翻弄され暗澹たる気持ちにさせられます。
最初に日記を付けようと思った時「月蝕領崩壊」が浮かんだのは、書いていてもどうしようも無いのにやめられない記録の中で何か見つけられればいいかなと思ったのです。
あとBの作るご飯が美味しそうだったから。
この作品は読んだ当時は凄く感情移入してしまった。それが現実に起こった記録だからでしょう。
誰にでも起こる事なのです。だから心の隅に引っかかっていたのかな。
中井英夫と言えばミステリ三大奇書の「虚無への供物」が代表作ですが、
これも読んで損は無いと思います。
今日の夕飯は鮭の塩焼き、水菜と海藻のサラダ、ブロッコリーのチーズソース。
